雪ん子

 ごきげんよう。ねぶとりです。3月弥生になりました。
 弥生といえば、春ですね。やっとここ東北のアラスカにも春がやってくるのです。
 春と言えば、2月の立春前日の節分に大事件がおきたのです。なんと、ねぶとり「福は内、鬼は外!」と景気良く豆まきをして鬼を追い払っておりましたら、玄関先の階段から転げおちまして、両足負傷を負ってしまいました。
 普通、豆まきは長男がするはずで、「女の子がしてはいけない」と聞いていたはずなのですが、住職が「女の子じゃないだろ!妖怪だろ!」というので、悔し紛れに豆まきをしたばっかりに、鬼を追い払いつつ、名誉の負傷と相成りましたのです。それでも仏様とお福さんの御蔭様で、打撲と捻挫で、骨折は免れました。

 その1週間後には、雪女ゆきちゃんの、何かの怒りが爆発したのか、10年に1度の大寒波で会津に観測史上初の大雪が降りまして、積雪ばかりか、本堂の屋根の雪は落ちるは、各御堂の屋根の雪、庫裏の屋根の雪、御檀家様が駐車する場所も雪に埋もれて、除雪機だけでは間に合わず、ねぶとりも両足を怪我して四苦八苦で歩けぬというのに、雪堀、雪かたしを手伝わなければならず、半妖息子達いわく「リハビリじゃ」と。ついでに、人間界の皆様は、ねぶとりが鬼と対決して厄払いをしてくれたので、今年1年厄災にあわないだろうと、歓喜しているとか。ほんとかいな。
 今回の大雪で被害に遭われた人間界の皆様、本当に御見舞い申しあげます。


 今ごろ、油すましの父妖怪は「あんな雪深いところに行く物好きは、ねぶとりくらいじゃて。妖怪のくせに、怪我までしおって。うほほほ。」と笑っているに違いないぞえ。悔しい~!
 ねぶとりの怪我長話で、大変失礼いたしましたが、今月は春の御彼岸がございます。御彼岸は、人間界の皆様が仏様のお近くに会いにいくということで、お盆は、仏様が御家に戻るという違いがございます。
 仏様に近づける機会ですので、是非お墓参りやお寺に御参りなさってくださいませ。きっと、仏様から温かいお力をいただけますよ。では、このへんで。次回また。