一反もめん
ごきげんよう。ねぶとりです。人間界の皆様、今月は大変長らくお待たせいたしました。時折というか度々、更新するのが遅くなることがありんすゆえ、月初め更新されていない時も諦めず、時々覗いったっておくれやす(*^^)v
9月長月(ながつき)になりました。お昼間は猛暑なのに、夜は秋の虫達の大合唱で賑やかな日々でありんすよ。
8月の立秋の夜、不思議にも虫達が一斉に鳴き出したんですがな。前日まで全く鳴いてなかったのに。鳴くというより、本当は羽根をこすり合わせているらしいのですが…何故、虫達は暦もわからないはずなのに?…人間界の皆様には感じない何かを虫達は感じるのでしょうか。きっと、季節の移りを微妙に感じるセンサーを持っているのかも。自然の神秘ですよね(*_*;
処で、長月の別名には、夜長月、長雨月、稲刈月、穂長月、菊月など。段々と夜が長くなり、台風も多く雨が長く続くこともあり、長雨どころか最近はよく言われるようになった線状降水帯も様々被害を引き起こす事象…温暖化恐ろしや。(T_T)
稲が実り、稲刈りのシーズンでもあり、菊の花が咲き出す頃でもあることから、別名がその様にいわれる由縁でありんしょう。
菊の花は古来邪気を払うと言い伝えがあり、9月9日は重陽(ちょうよう)、菊の節句ともいわれまする。菊の花をお酒に浮かべて飲んだり、前夜に菊の花の上に綿を乗せ、翌朝、夜露に濡れた菊の露を含ませて体を拭くと長寿に恵まれるなど、無病息災を願う日でもあるとか。現代の様に医療技術が進化していなかった時代は、季節が変化して行く度言い伝えに祈りを捧げて、命を少しでも長らえる日々を大切に送っていたのでしょう(^^)
重陽にちなみ、菊の花の上に綿を乗せた姿を「着せ綿」といい美しい和菓子に表現したものがあるのですが、美しいのでずっと眺めていたいと思いつつ、わらわの食いしん坊の血が騒ぎ、つい食べたくなるのを我慢できませぬ(^^♪
菊の花が美しくなる頃には、秋のお彼岸がやってまいりまする。お彼岸とは、以前にもお話ししましたが、生きている人間界の方々がいらはる世界を此岸(しがん)と言い、お墓参りやお寺参りをして亡くなられた仏様や御先祖様のお近くに伺う日々ということ。それに対してお盆は、仏様が人間界に戻っていらっしゃる日々。
実は、今年のお盆近くに不思議なことがありましたんえ。新しく仏様になられた供養を新盆(にいぼん)供養といい、当寺ではお盆の数日前に供養会(くようえ)を夜3日間実施したのですが、最後の3日目に参加した檀家様のご家族方に、どうやらあちらの世界の方々を感じたり見えてしまうお子ちゃま方がいらして、供養会の帰りに夕食をされて行かれた時お子ちゃま同士である話で盛り上がったそう。
「タコさん、いっぱいいたよね!」「うん!たくさんいたよね」「たくさんたくさん、飛んでたよね」タコさんって何?たくさん飛んでた?大人達が詳しく聞いてみたところ、本堂内に御骨や御位牌をお預かりしている場所があるのですが…読経の間中ずっと、御位牌がある辺りから沢山のタコの足の様な白いものが飛び回っていたとの事。其れは蛸の足なのか、凧に付いている白いひらひらなのか…?

ねぶとり思うに、多分妖怪「一反もめん」ではないかと思うのでありまする。一反もめんとは、いわゆる布状でひらひら飛ぶ妖怪で特に悪さなんてしない奴なのですが、魂が集まって一反もめんとなり、御経でやんややんやと喜び現れたのではないでしょうか?それは純粋な心と目をもったお子ちゃま達には、ちゃんと見えたに違いありませぬ。また、お彼岸にも不思議なことが、起こるかも…(^.^) では、また次回。